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お魚たちの登録商標はコピー可能ですか?
前回紹介したお魚さんたちの防衛手段、隠れる・身を守るの『カムフラージュ(模倣)と擬態』を、ちょっと整理しましょう!
【お魚さんたちの防衛手段】 (隠れる・身を守る) ●岩のすき間などに隠れる ●自分の身に他の生物をつけて擬装する ●岩、砂、海藻などにカムフラージュ ●わざと目立つようにして他に化ける(擬態) 1.ベイツ型擬態(有毒なものに化ける) 2.ミュラー型擬態(似たものに化ける) 3.ペッカム型擬態(助けるふりしてむしばむ) おやおや、またまたいつものようにお勉強口調になってきましたよ! 松とうちゃんの悪い癖ですね~!反省、反省!(*^_^*) ≪ベイツ?ミュラー?ペッカム?、何んだ~それ?≫ 生物学者が生物の擬態について発表した概念ですが、それぞれの生物学者の名前がつけられているのですね。 わざと目立つようにして他に化ける(擬態)の中で、まずご紹介したいのが、『ベイツ型擬態』です。 有名なのが、毒を持つ『シマキンチャクフグ』にそっくりになる、毒のない『ノコギリハギ』は、このベイツ型擬態と言えます。 ≪なんでまねすんだよ~?≫ お魚社会の捕食者たちは学習能力によって『シマキンチャクフグ』に毒があるのを知っています。当然、捕食者達は『シマキンチャクフグ』を襲わないわけですがそれに目をつけた無毒の『ノコギリハギ』は、 ≪あいつに似せたら襲われないじゃん!!≫ と考え、『シマキンチャクフグ』そっくりのデザインとなったのです。このデザイン(色)は、標識色(警告色)で、 ≪このデザインのオレを食べたら危ないゾ!!≫ と『シマキンチャクフグ』の有毒という登録商標を勝手に利用し、本当は無毒でありながら、有毒という警告をしているのです。 このように、わざと注目をひいて、有毒・味がまずい・恐ろしいなどに見せかける擬態を、イギリスの生物学者ヘンリー・W・ベイツは、論文発表し、『ベイツ型擬態』と言われています。 恐そうな『ハナビラウツボ』に、そっくりな模様の『シモフリタナバタウオ』もベイツ型擬態ですね。 でもまねされたシマキンチャクフグは迷惑でないのかな? ≪そうなんだよな!!間違って、まぬけなやつがだよ…≫ ≪あいつ(ノコギリハギ)を食べて…≫ ≪な~んだ!このデザイン食べても平気じゃん!≫ ≪てなことになったら、オレ様に毒のあること忘れて≫ ≪襲ってくるんじゃないかと、心配で心配で…≫ その時は、アンタに毒があるからいいんじゃないの? ≪何言ってるんだよ~いくら食べて相手が学習するといっても≫ ≪一度は食べられる、オレ様の身になってみろよ~!≫ たぶん真似されたシマキンチャクフグやハナビラウツボは、迷惑を被ることはないと松とうちゃんは思っています。 このような目立つように警告色をするものは、私たち人間社会でもありますね! 例えば、警備会社の車や制服がパトカーやお巡りさんの制服に似せているのは、だだ恰好をつけているのではなく、悪者に『おっと警察?やばい!!』とけん制させる意味もあるのだと思います。これらも動物学的にはベイツ型擬態です。 ≪じゃあ、松とうちゃん!ミュラー型擬態って?≫ その話は、長くなるのでまたこの次にしましょう! -お生物講座081- |