« お魚たちの共通商標は効果的? | トップ | 隠れると言ってもいろいろテクニックが… »
お魚さん!ニセ商標にお気をつけあそばせ!
お魚さんたちの防衛手段、隠れる・身を守るの『カムフラージュ(模倣)と擬態』、連載でお届けしています。
【お魚さんたちの防衛手段】 (隠れる・身を守る) ●わざと目立つようにして他に化ける(擬態) 1.ベイツ型擬態(有毒なものに化ける) 2.ミュラー型擬態(似たものに化ける) 3.ペッカム型擬態(助けるふりしてむしばむ) 有毒・味がまずい・恐ろしいなどに見せかける擬態を『ベイツ型擬態』といい、有毒・味がまずい同士が共通のデザインを持つことを、ミュラー型擬態とお話しました。今回は、ペッカム型擬態です。 ≪前置きはいいから…さっさと話してよ!!≫ まあ、あせらないで下さい! 以前、ホンソメワケベラがお魚の体についた寄生虫を食べてクリーニングしてくれるお話をしました。随分前ですので続けてお読みいただいている方は少ないと思いますが… それらクリーナーと呼ばれるお魚に、体形やデザイン、そして泳ぎ方まで真似て、クリーニングを希望するお魚に近づきクリーニングするふりをして、ヒレをかじり取ったりするひどいやからがいます。 ≪オレの真似をして、そんなひどいことするのは誰だ!≫ その名は、『ニセクロスジギンポ』です。 そもそも、ホンソメワケベラは『クリーニング屋さんの看板(商標)』として、口先から尾びれにかけて黒い帯(帯の周りは黄色と青色)があり、頭をやや下に向けて後部を上下しながら泳ぐのが特徴です。お魚たちはそのクリニーグ屋さんの看板(商標)を知っている訳ですが、それに似せた『ニセの商標』を出しているのが、ニセクロスジギンポです。 助けてあげるふりして皮膚や鱗をかじって失敬していくのです。ニセクロスジギンポは、捕食者に狙われずにすむ他、餌まで頂戴する抜け目ないやつです。これらの擬態をペッカム型擬態と言うのです。 前回、前々回の擬態は、『身を守るための擬態』ですが、ペッカム型擬態は、変装して悪さをするずうずうしい擬態です。 (ニセクロスジギンポ ) ≪そんな悪く言うけど、人間社会にもあるだろう!!≫ う~ん!確かに… 老人介護保険制度の申請をしてやると言って、お金を騙し取る詐欺…落ち込んでいる人や酔っぱらって気分の悪くなっている人に、『きみ、大丈夫?』と優しく近づくオオカミ○○○… 人間社会では、ペッカム型擬態は犯罪または、嫌われる行為ですが、お魚の世界ではこれも身を守り、生きるための彼らの知恵ですね! 身を守るために、わざと目立つようにして他に化ける擬態について、だいぶ理解してくれたと思いますが、いかがですか? 『えっ?やっぱりわかりにくい?』 それではもっと単純に、見つからないように隠れてしまえ~!!この隠れる方法を最初に戻ってお話しましょうね。この隠れると言うのは、人間のかくれんぼうと違って奥が深いのです! どう奧が深いのかは、次回お話しましょうね! -お生物講座083- |