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    隠れると言ってもいろいろテクニックが…

    |


    前回までお魚さんたちの防衛手段、隠れる・身を守るの方法として、擬態を中心にお話してきましたが隠れる部分についてお話ましょう!

    ≪お魚の隠れるは奧が深いと先週言ったよね?≫

    そうですね!まず、ちょっと整理し復習してみましょう!

    【お魚さんたちの防衛手段】
    (隠れる・身を守る)

    ●岩のすき間などに隠れる
    ●岩、砂、海藻などにカムフラージュ
    ●自分の身に他の生物をつけて擬装する
    ●わざと目立つようにして他に化ける(擬態)
    1.ベイツ型擬態(有毒なものに化ける)
    2.ミュラー型擬態(似たものに化ける)
    3.ペッカム型擬態(助けるふりしてむしばむ)

    ≪何度も出てきたから、いい加減覚えちゃったよ~≫

    ん~!、それはありがたい。

    ●岩のすき間などに隠れる

    隠れると言うと単純に、岩のすき間や穴などの隠れ家で生活しているお魚たちがいますね!例えば、岩の穴などに住む『ギンポ』や、砂底の穴に住む『チンアナゴ』などがそうです。彼らは、それらの場所で捕食者の眼から逃れているのですが、穴から出ずにず~とそこで生活しているのでしょうか?

    なんか運動不足で、足腰が弱り、体もぶくぶく太りそうですね!

    ≪心配ご無用!うまくやっているよ!≫

    『ギンポ』などは、食事のときや、繁殖行動のときは、外に出かけるようです。しかし、『チンアナゴ』は頑固に穴に閉じこもり、砂底から体の一部だけを出し、ゆらり、ゆらりと体を動かしながら潮に流されているプランクトンを食べて暮らしています。

    ●岩、砂、海藻などにカムフラージュ

    この場合、周囲に応じて自分の体色を変えるタイプと、自分の体色にあった環境にいるタイプの二通りがあります。

    有名なのが、岩や砂の模様にそっくりになるカレイやヒラメですが、こちらは前者のタイプで、ヒラメの皮膚にはたくさんの色素細胞があり、自由自在に色と濃淡を変えることができます。

    その体色変化は実に不思議ですが、ちょっと飛び出し気味の目玉で周囲の色を感じとり、2~3時間かけて完全に周囲の岩や砂の模様に変えます。せっかく時間をかけて体色を変えたのに、我々ダイバーに見つかり、すごい勢いで逃げ去り別の場所に隠れるときは、また、やり直しです。ヒラメさん、ご苦労さまです!(*^_^*)

    でもよく見ていると、ヒラメさんも体色変化に時間がかかって面倒なのか、さっきいた岩と同じ色や模様の岩に着底しますね!

    後者は、藻類にそっくりな模様をしている『ハナオコゼ』などです。

    こういった隠蔽(いんぺい)色を利用して隠れているお魚たちは、捕食者が近づくまでギリギリ『フリージング(凍りつく)の状態』でほとんど動きません。もちろん、いよいよの時は、素早く逃走します。

    あなたのコンピュータも、よくフリーズしません?ちょっと関係ありませんでしたね。失礼しました!

    岩、砂、海藻などにカムフラージュするお魚は、同類で近くにいることは少なく、その理由は、隠れているのが見破られると、次から次と仲間が見つかるからと言われています。

    そう言えば、『ヒラメが群れでいたよ!』などというのは聞きません。

    周囲の模様にとけ込んでいても、泳いでいるようなお魚は、影でシルエットがはっきりしたり、輪郭がはっきりする場合がありますが、何か対策を講じているのでしょうか?

    それについては、結構面白いので次回お話しましょうね!

    -お生物講座084-