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    ねえ~この子は、だれの子?

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    お魚の世界には、『あんた!だれの子?』と問いかけたくなるほど、親と子が全く違う体色や体形をしているものが多いです。

    松とうちゃんも『この子は、あのお魚の子』というように多くを知っている訳ではないですが、今回はその違いで有名なものを幾つか紹介したいと思います。

    親子でもこんなに違う!というお魚たちの不思議な生態を今までご紹介しなかったのは、実際にそれらを見ないといくら『これこれこうでこんなに違う!』とメルマガで力説してもうまく伝わらないと思ったからです。

    そこで今回はまず、以下の画像を見てもらうことにしました。いずれも左に『幼魚』を、右に『成魚』というふうに親子で横並びになっています。

    ≪ヘヘ~おいらがだれの子かわかった~?≫

    すごいですね!親子でもこんなに違うんですね~初めてご覧になる方もいると思います。上から一つづつ説明を加えましょう。

    まず『ツユベラ』ですが、幼魚はオレンジ色の体色に黒いラインでふちどりした大きな白い水玉模様が入っています。毒のあるヒラムシやウミウシに似せて泳ぎも特徴があります。これらは捕食者から身を守る知恵ですね!大きくなるとだんだん黒っぽくなり、泳ぎ方も変わります。

    次は『カンムリベラ』です。一目で親子のデザインが大きく異なるのがわかると思いますが、幼魚は体の後方に目玉模様が二つあり、捕食者を混乱させます。大きくなると緑っぽく変化し目玉模様もなくなります。

    パラオなどミクロネシアの海で群れが見れる『マダラタルミ』ですが、幼魚は黒と白のパンダ模様の可愛いデザインです。やはり、ヒラムシやウミウシに似せた泳ぎ方です。大きくなると、はっきり言ってあまり可愛いとは言えませんね!

    続いて、『チョウチョウコショウダイ』の幼魚ですが、体色は薄い茶色で、濃いこげ茶のふちどりの中に大きな白い水玉模様でとっても可愛いです。大きくなるにつれて落ち着きのある泳ぎ方に変わり、こちらも親になると可愛いとは言えません。

    黒と黄色のストライプで可愛い『コロダイ』の幼魚も大きくなると全く異なる体形・体色となり、いかにも美味しそうな立派な体形になります。(食べたことはありませんが…)

    名前の由来になっている縦縞模様の『タテジマキンチャクダイ』の幼魚は、縦縞ではなく渦巻き模様です。こちらは親の縄張り意識の攻撃から身を守るため、『私はタテジマキンチャクダイではない』と訴えているのです。親の攻撃から身を守るための変装とは可哀想過ぎます。でも、幼魚可愛いですね!

    最後は『アカククリ』ですが、幼魚は毒のあるヒラムシそっくりの体色で泳ぎ方まで似ています。真っ黒い体色でオレンジ色のふちどりの幼魚が大きくなるにつれて体形と体色が変化していくのが不思議です。本当にすごいですね!

    ≪おいらたち幼魚は可愛いでしょう~!≫
    ≪でも、ただ可愛い子ぶっているんじゃないよ~!≫

    確かに、お魚の幼魚はデザインといい、色といい可愛いものが多いですね。これら親と異なる体形・体色・泳ぎ方は、無事に育つための知恵であり、重要な役割なのです。

    捕食者から食べられないように、毒のあるヒラムシやウミウシに似せたデザインや泳ぎ方をして、必死に育っているのですね!

    人間社会では、可愛かった幼い頃の子供が大人になるにつれて、親によそよそしくなるとともに、親に似てくるのは世の親共通の寂しさと喜びだと思いますが、お魚さんたちの親も同じ思いでしょうか?

    -お生物講座086-