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    形相は怖いけど可愛いウツボ!

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    ウツボと聞くと、『怖い!』という方が多いようですが、水中で見るウツボは多種多彩で、可愛らしさを感じることがあります。

    ウツボは中国・台湾では中国料理の食材として好まれ、日本でも四国高知県大月町では干物を生産し、出荷している話を聞きます。
    他のお魚同様、頭の部分にはDHA、皮と身の間はコラーゲンが豊富で健康と美容に良さそうです!

    ウツボは『ウナギ目』に属し、ウナギ同様、仔魚(しぎょ)期には、レプトケファルスと呼ばれる成魚とは異なる形で幼生期を過ごす謎めいたところがあります。岩やサンゴの割れ目など、同じところに住む定着性のあるお魚ですが、産卵の時期には遠く外洋に出かけるのかも知れません。

    皮ふが頑丈で厚くウロコがないため、ぬるっとした感触で胸ヒレがありません。臭覚の強いお魚で、目の上に一対の後鼻孔と口(上顎)の先には管状の前鼻孔の突起があります。(にゅっと口先から伸びている突起です。)

    ほとんどのウツボの顔つきは怖そうですが、臆病で、おとなしい種が多く、ウツボ科のお魚は世界に約200種(日本でも約50種)とかなりの種の数です。

    沖縄などに生息する『ドクウツボ』は、体長2m近くにもなる大型のお魚でシガテラ毒を持ちますが、餌付けされたものがダイバーの指をかみ切った例や、松とうちゃん自身、追いかけられ恐怖を覚えた経験もあります。しかしこれらは人間の餌付けと言う行為に反応したもので本来凶暴さを持つものではないと思います。

    虎のような派手な模様の『トラウツボ』は、目の上の後鼻孔が突起しており、口先の前鼻孔も伸びているウツボで普通の岩礁で見られます。
    カメラ派には派手模様で角(つの)があるいい被写体になりますね!

    四国高知県で食用とされる『コケウツボ』や『ウツボ』は、伊豆地方など関東の海では、捕獲されることはほとんど無く、夜行性で普段は岩の割れ目などに身を隠しているはずのものが全身をあらわにしているウツボがごろごろ見かけられます。採られない安心感でしょうか?

    肉食で歯が鋭く怖そうなウツボも、『ハナヒゲウツボ』にいたっては全く印象が違います。沖縄など亜熱帯から熱帯に多く生息するウツボですが、前鼻孔が扇状にひろがって、まるでハナビラのひげがついたように見えることからその名が付いたのでしょうか?
    全身を出して、泳いでいる姿はまるでプレゼント包装に使うリボンのように見えます。この『ハナヒゲウツボ』は、幼魚期に体色が黒色、成魚期はコバルトブルー(背と腹が黄色の帯)、そして雄性先熟つまりオスからメスに
    性転換する不思議なウツボでダイバーに人気のお魚です。
    オスはコバルトブルー、メスはイエローと言われていますが、体全体がイエローの『ハナヒゲウツボ』は見たことがありません!どのタイミングで、性転換するのか興味深いところです。

    これらのウツボが、お口のまわりをエビやホンソメワケベラなどにクリーニングされ気持ちよさそうにしている姿を見ると、『気持ちいいかい?』と声をかけたくなります。また、いつも口が半開きでまぬけさを感じることもあり、顔を近づけると後ずさりしていくウツボが憎めません!怖いというイメージではなく、可愛らしいと思うのは、松とうちゃんだけでしょうか?

    今回は『怖い!』『気持ち悪い!』などと外見のイメージだけで判断されてしまうウツボを、水中でその身振りや表情を観察しそれぞれの性格を判断していただけたらと思い取り上げてみました!
    怖そうで、付き合いにくい方も向き合ってにらめっこしていたら、相手の気持ちが分かるかも知れませんね!(*^_^*)
    -お生物講座020-