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ウニの不思議な数字5の持つ意味?
今回は、寿司ネタでお馴染みの『ウニ』のお話です。前回の『ホヤ』と違って『ウニはどうも…』とか『ウニは苦手!』と言う方は少ないのではと思っています。むしろ『ウニは大好き!』と言う方が多いのでは…
『ウニ』は、棘皮動物門に属し、『ヒトデ』や『ナマコ』の同門です。世界に約900種とその種類も多く、浅場から海底7000mくらいまで広く分布しています。 皆さんがお馴染みなのは、食用の『バフンウニ』や『ムラサキウニ』ではないかと思いますが、我々ダイバーがよく目にするのが針(棘)が長く毒をもつ、『ガンガゼ』や、長いラッパ状の管で覆われている『ラッパウニ』、触ると激痛がはしる『イイジマフクロウニ』などがあります。 『ウニ』に限らずほとんどの棘皮動物は5方向に放射状に伸びた体形です。殻付きの『ウニ』を見る機会がありましたら、今度よく見て下さい。『ウニ』の上部中心には、5つの生殖孔があり、その中心から体表を5つに区分する線が5本放射状に伸びているはずです。 『ヒトデ』も『クモヒトデ』も5本、『ナマコ』も垂直に立てて輪切りにすると見事5つに区分されていることが分かります。円形で、平らな『タコノマクラ』まで上から見下ろすと、5枚の花びらのようなデザインが見えます。この数字『5』の持つ意味はいろんな説があるようですが、松とうちゃんにはよく分かりません。何か不思議な法則があるような気がします。そう言えばアジアの果物『スターフルーツ』も星形は5つかな? 『ウニ』は雌雄異体で、体外受精し受精卵や幼生は普通浮遊性、幼生の体は左右対称で棘がありません。 『ウニ』の下側の中心には口があり、その中心部には5本の歯が配置されており、それで岩の上の付着生物、特に海藻を好んで食べます。 体表には、ご存知の針(棘)が多数ありますね!その間には、先端に吸盤がついた管足というのがあり、この管足は足として移動に用いられています。不思議なのは、直径約1mm以下の管足は、数mmから数cmくらいまで収縮自在なのです。移動の他、呼吸や触角、嗅覚の機能も果たします。 代表的な日本産種の『ムラサキウニ』と『キタムラサキウニ』は、紫色のいが栗のような外観でお互いの識別は難しいと言われています。『ムラサキウニ』の繁殖期は5月~8月で太平洋側では茨城県以南、日本海側では秋田県以南から九州まで分布し、奄美・沖縄にはほとんど見られず、とんで台湾にも分布します。 松とうちゃんが台湾駐在中よく採取・食したのがこの『ムラサキウニ』です。以前は台湾の児童たちは、生ウニを食べる習慣がなく(お刺身好きの大人でも生ウニは食べませんでした。)、『これ食べるの?』とよく聞かれたものでした。 私たちが食べている『部分』は生殖巣で卵巣と精巣のところです。『粒ウニ』というウニの加工品がありますので、ウニの卵と勘違いされておられる方も多いようですが、決して卵の塊ではありません。 『ウニ』を割ってみるとたくさんの消化管と殻の内側にへばりついたオレンジ色の生殖巣があります。この食べれる生殖巣も、5つあるのです。『ウニ』を含め棘皮動物には、この『5』と言う数字はつきまとうのです。本当に不思議ですね! 同じく、日本産種の代表『バフンウニ』は、棘が短く馬糞のような外観をしています。繁殖期は、12月~3月で北海道南部から九州まで分布します。北海道の『エゾバフンウニ』は日本で最も生産量が多く人気も高いですが、現在では『キタムラサキウニ』に首位の座を明け渡したかも知れません。 日本人のウニ好きは、世界に知れ渡る周知の事実ですが、日本人が食する『ウニ』の8割以上が海外からの輸入品で占められているというから驚きです。輸出国はアメリカ、韓国、カナダ、ロシアなどがありますが、その輸入量はアメリカが最も多いようです。 寿司ネタで高級なこの『ウニ』、漢字では『海胆』と書きますが、台湾の中国語(北京語)でも同じです。瓶詰めなどの加工品には『雲丹』と漢字を当てていますね。英語ではギリシャ語の『echinodermata 』を用い、海のハリネズミと言う意味らしいです。 この海のハリネズミの生殖巣、何故、日本人は好むのでしょうか? -お生物講座040- |