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えッ、マンボウはフグのお仲間?
『大瀬崎にマンボウがでたゾー!』と聞こえると車を飛ばし大瀬崎に向かう人も多いほど、ダイバーに人気の『マンボウ』をこの『松とうちゃんのお生物講座』で書いていないことに気がつきました。(一つネタをゲットして喜んでいる松とうちゃんです。) 松とうちゃんは、ご対面のチャンスが少ないと言われているこの『マンボウ』に、伊豆半島の網代沿岸で8~10匹の群れと対面した貴重な体験があります。普段は外洋にいる『マンボウ』が沿岸の水面近くで見られるものや、定置網に入って捕獲され、地元のスーパーに並ぶ『マンボウ』ははぐれマンボウと呼ばれ1~2匹で確認されることが多いのです。 松とうちゃんが、『マンボウ』に遭遇したときは、たまたまお客様を連れて水中カメラのニコノスⅤ(20mm)を持っておりその群れを写真におさめました。その写真が、ダイビング専門各紙に掲載され、ちょっとした話題になったこともありました! 泳ぐ姿はゆったりとしてダイバーの目をくぎづけにし、じっくり見ていると、なるほどマンガチックな形で、可愛いキャラクターグッズのモデルにぴったりのお魚です。 『マンボウ』は『フグ目』、『フグ亜目』のマンボウ科です。フグ科、ハリセンボン科のお仲間です。 普通のお魚には、左右一対の腹ビレがありますが、『マンボウ』の腹ビレは完全に消失してありません。また形の上での大きな特徴として尾ビレがないことです。体は著しく側扁した卵円形です。 水族館や写真で見たことがある方も多いと思いますが、じつに奇妙な形をしたお魚ですよね! 体をバッサリと切断したような形になっており、背ビレと尻ビレが後方に伸びて体の後縁をぐるりと取りまいたようになっています。後方のひだ状の構造は、背ビレと尻ビレが伸びた舵(かじ)ヒレと呼ばれ、舵の役目をしています。 なぜに、このような奇妙とも言える形になったのか、不思議でたまりませんね!でも、小さな口もととまん丸い目がとっても可愛いです! 『マンボウ』は世界に3属4種おり、沖合いの表層から中層に生息し、春から夏には日本各地沿岸に出現します。インド洋には、体長3m・体重1トンを超えるものもいるというから驚きです。 『マンボウ』の一度に産む卵は億単位で、お魚の中では一番の多さと思います。精子と卵子を体外で受精させる『分離浮遊卵』で繁殖します。稚魚は『フグ目』らしく、体表に短い棘(とげ)があり、成魚の『マンボウ』を想像させません。 体表は、ゴム様で厚いコラーゲンで覆われておりやや固い感じですが、お肉は白身で軟らかいです。主にクラゲや小型魚類を食べているようです。 伊豆半島では、西伊豆の安良里や東伊豆の網代などのスーパーで、定置網に入った『マンボウ』が、食用で売られていることがあります。主にお刺身でいただくのですが、肝(きも)を細かく切りつぶしたものとお刺身を一緒に食べるとイカとホタテの貝柱を一緒にしたようなお味で美味です。地方によっては酢味噌でいただくところもあるようです。 あんな愛きょうのある可愛い『マンボウ』を食べるの?とお叱りをいただきそうですが、可愛いくないから食べる!可愛いから食べない!と言う議論にはお付き合い出来ませんのでよろしくね!世の中の全ての生物を食さない方のご意見なら別ですが… 『マンボウ』は、漢字で、『翻車魚』と書きますが、その語源由来はわかっていません。また英語ではa head fish とかan ocean sunfishと呼びます。なるほど!おかしら魚、太平洋の太陽魚という意味ですかね?『うきき』、『まんぼうざめ』と呼ぶ地方があるようですが、沖合いの表層を横になって泳ぐ姿を見た漁師さんが、そのように呼び始めたのかも知れません。 このように呼んでいる地方の方、ご連絡いただけますか? 結局、『マンボウ』はなぜ『バッサリと切断したような形』になっているのか?疑問は解けませんが、神様は不思議なお魚を造ったのものですね! -お生物講座043- |