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    毒をもつ生物シリーズ9(ヒトデ)

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    今回は、毒をもつ生物シリーズ最終回です!
    海の星『海星』と書いてヒトデを意味しますが、ヒトデの中で強い毒を持つ『オニヒトデ』を含めお話します。

    『ヒトデ』はなぜヒトデ?かご存知ですか?いたって単純明快、人の手のような形であるところからそう呼ばれています!

    ヒトデ類に属する棘皮動物の総称を『ヒトデ』と言いますが、人間の手のように(指ではありませんが)腕が5本のものを中心に、6本から十数本に至るものまであります。

    ほとんどが、中央盤と腕とからなり、上面は石灰質で覆われ、つぶ状突起あるいは棘が密生しているのです。口は下側中央にあり、肛門もふつう背面にあります。

    腕にある多くの管足によって動き回り、貝類など食べるのが特徴です。雌雄異体で、個々の再生力はきわめて強く、切れた腕から他の腕が生えていく様子はまるでエイリアンを見ている感じです!また丸い形の『マンジュウヒトデ』は、手で触るとどんどん形が変わっていきますから驚きです!

    『アカヒトデ目』の『オニヒトデ科』に属する『オニヒトデ』は大型で有毒、ミドリイシ類(珊瑚)を食い荒らすことで有名ですね!大きく丸い中央盤に、十数本の杉の葉状の(イバラのような)腕が比較的短く伸びており、全身にサポニンという毒を持つ棘(とげ)で覆われています。

    『オニヒトデ』に触れ、毒棘に刺されると激痛がはしり、刺傷部分が腫れあがります。とっても痛いのです!

    棘が残っていることが多く、激痛が続くようでしたらレントゲン撮影をして、切開し取り除く必要があります。また、破傷風予防のトキソイド注射も必要になるかもしれません。

    万が一、私たちダイバーが『オニヒトデ』にやられたら、まずは40~50度のお湯につけ応急手当をし、毒を変成させ痛みを和らげさせます。

    『ヒトデ』はサザエ・アワビ・トリ貝・ホッキ貝・ホタテ貝など貝類が好物で(贅沢ですね!)、水産資源の維持のため放流した稚貝を食べられる被害が各地で起こっているようです。

    これらの被害から水産資源を守るため、『ヒトデ』の天敵『ニチリンヒトデ』や『エゾニチリンヒトデ』を放流して退治させる方法が試されています。

    『ニチリンヒトデ』は貝類の好きな他のヒトデが好物なのです!奇妙な話しですね!ヒトデが他のヒトデを好物にするというのは…まるで『人喰い人種みたい?』

    『ヒトデ』は珊瑚を食い荒らしたり、水産資源を減らしたり、時には人間を刺して傷をつけたりで、人間界の恨みをかう海洋生物のように思うかもしれませんが、これらの現象は、人工的な自然環境の変化による異常繁殖によるものかも知れません!

    また、我々ダイバーが受ける被害も、彼らを触るなどの攻撃をしかけなげればおこり得ませんし、彼らがおそってくることはありません!

    『ヒトデ』にすれば、子孫繁栄(種の保存)という言うごく当たり前の自然の摂理かも知れませんね!

    毒をもつ生物シリーズ、9回まで続けましたがいかがでしたでしょうか?楽しんでいただけましたでしょうか?

    次のテーマは何にしようかな!

    -お生物講座059-