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    シイラが家の財力を表す?シイラ漬けって?

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    沖合いの表層で生活し、比較的きれいで、温暖な海域に生息している『シイラ』はダイバーにはあまりなじみはありませんが、釣り人には、ゲームフィッシュングの対象として人気ではないかと思います。

    今回はそのちょっと珍しいお魚『シイラ』についてお話しましょう!

    『シイラ』は、『スズキ亜目』の『シイラ科』のお魚で北海道を含む日本各地の海から世界の温暖海域に分布し、体長80cm~2mです。

    ちょっと変わった形のお魚で、体は細長くよく側扁し、背ビレは頭部背面から尾の近くまでひとつづきになっています。オスは成長に伴い前頭部(額)がいちじるしく前に張り出しますが、メスは成長しても額は張り出しません。ちょっと変わった頭の形から、『鬼頭魚』とも呼ばれるています。

    『シイラ』を釣り上げた方はお分かりと思いますが、背は濃青色で、体側からお腹のほうにかけては白っぽい金色で、青色の小さな斑点があります。とても美しいお魚ですね!でも釣り上げてまもなくすると、青色は黒く、そして金色はくすんだ山吹色になり生前の美しさは消えていきます。

    『シイラ』は成長がはやく、1歳で70cm、2歳で120cmにもなるようです。最大で2mほどにも成長するのですからビックリです。

    産卵は、日本近海では春から夏にかけて行われ、生まれたての稚魚は、海面の流れ藻について成長し、最初のうちは動物プランクトンを食べ大きくなっていくとともに、他の仔魚、そして、流れ藻についているカワハギやギンポを餌にするようになります。大きくなると、表層のイワシなどを好んで食べますが特にトビウオが好物のようです。

    ところで皆さん、『シイラ漬け』というのをご存知でしょうか?

    『シイラ』の塩漬けにしたものではありません!

    海底に沈めた石俵などにつないだ、長さ3~8mほどの竹数十本を幅1m、高さ60cmほどにたばねて漬木とし沖合いの海面に浮かせ、この竹束の陰に集まってくるシイラを網や釣りなどの方法で捕らえる漁法のことを古くから『シイラ漬け』と言うのです。面白いですね!

    日本では、夏に美味でとりたてをお刺身でいただくようですが、世界各地で塩干物にして保存食とされています。

    台湾の太平洋に浮かぶ『ランイ島』では、このシイラ漁が盛んでほとんどの島民の軒先には、『シイラ』が干してあります。『シイラ』は、背のところがお腹より身が厚く日本のアジの干物などのような腹開きでは、乾く前に腐ってしまいやすいので、台湾では背開きにします。アマダイやエボダイも背開きが多いですよね!

    台湾の島では冬場の食料としてこのシイラの塩干物は重要で、軒下に並ぶシイラの干物の数で、その家の財力を示すと聞いたことがあります。今では島への流通も発達し、そんなことはないかもしれませんが、2~3階立ての奇麗に並ぶ新築の家にも、シイラが干してあるので、松とうちゃんはいつも不思議な感じがしていました。

    沖合いの奇麗な海でしか見れない『シイラ』の美しい姿と、美味といわれるお刺身が恋しくなってきました!(*^_^*)

    -お生物講座072-